泣いている弟の背中をさする私達に続き、ぞろぞろと皆が病室を出る。


親戚達は母によくがんばったねと言っていた。

母も泣いていた。



しかし、私はこの時母に苛立っていた。


もっと早く病院に連れて行ってあげていればこんな事にならなかったのに。


自分の事しか考えていなかったのに。


なぜそんな母に皆頑張ったねと言うんだ。


誰かに電話している最中「もう疲れた。はやく逝ってほしい」祖母が頑張っている中でそう言っていた母を知らないからそんな事が言えるんだ。




一番頑張ったのは祖母なのに。


一番辛かったのは祖母なのに。




泣いている母が憎かった。