「ばあちゃん!!」



皆が泣いている中、私は一人でまだ祖母を呼んでいた。



「さえこちゃん」



もうやめろと叔母が首を横に振る。



皆それぞれが祖母の体に触れていた。


祖母のぬくもりを最後まで感じていたいという気持ちは皆同じだった。


私は少しだけ涙を流すとすぐに拭き顔を上げた。


もう動かない祖母。
沢山の管を繋がれた祖母。


泣いている沢山の人。



「先にこれ取ってあげよう」


そう言ったのは私だった。
いつまでも管に繋がれているのが可哀想だと思ったからだ。


私がいつまでも泣いていたら祖母はちゃんと天国にいけないと思った。


いつも私の事を一番に考えてくれる祖母だったから。