地元に帰っても、結局行き場は母の家しかない。
しかし母は病院に泊まりっぱなしで家にいない。
地元に帰ってすぐに母に会った。
母は何も言わず、無言で私に家の鍵を渡した。
「何かあったら電話して」
私もそれだけしか口にせず母の家へ向かった。
翌日、母の妹が迎えに来てくれ、病院へ行くから一緒に行こうと車に乗せ連れて行ってくれた。
3週間ぶりの病院は何も変わっていなかった。
変わったのは祖母だけ。
ベッドに横たわり、体中がむくんでいた。浩人と同じくらい細かった腕や足首はもうパンパンに膨れ上がっていた。
酸素マスクをつけ口を開いたまま呼吸をし、体には色んな線が繋がれていた。
「ばあちゃん帰ってきたよ」
祖母の返事はない。
「ばあちゃんさえこだよ。帰ってきたよ」
何度か耳元で大きな声で言うと祖母はうっすら目を開けた。
手を握ってももう握り返してはくれない。
少しだけ開いた目もすぐに閉じてしまった。
「ばあちゃん浩人もいるよ」
もう前のように笑ってもくれない。
しかし母は病院に泊まりっぱなしで家にいない。
地元に帰ってすぐに母に会った。
母は何も言わず、無言で私に家の鍵を渡した。
「何かあったら電話して」
私もそれだけしか口にせず母の家へ向かった。
翌日、母の妹が迎えに来てくれ、病院へ行くから一緒に行こうと車に乗せ連れて行ってくれた。
3週間ぶりの病院は何も変わっていなかった。
変わったのは祖母だけ。
ベッドに横たわり、体中がむくんでいた。浩人と同じくらい細かった腕や足首はもうパンパンに膨れ上がっていた。
酸素マスクをつけ口を開いたまま呼吸をし、体には色んな線が繋がれていた。
「ばあちゃん帰ってきたよ」
祖母の返事はない。
「ばあちゃんさえこだよ。帰ってきたよ」
何度か耳元で大きな声で言うと祖母はうっすら目を開けた。
手を握ってももう握り返してはくれない。
少しだけ開いた目もすぐに閉じてしまった。
「ばあちゃん浩人もいるよ」
もう前のように笑ってもくれない。


