ADULT CHILDREN

家に戻ると、どっと疲れが襲った。

帰ってから佐藤さんにどんな状態だったかを伝えるとやはり彼は私を気遣ってくれた。


多分、何も言わなくても私が母と過ごした事でどれだけ疲れていたのか。彼はわかっていた。



それから毎日、祖母の携帯にメールを送った。



『ばあちゃん頑張れ』



祖母はメールなんてできなかったし、見方さえ知らなかった。


それでも送り続けた。


想いだけでも届けたかった。




毎日毎日、祖母の写真を見つめた。

元気な姿の祖母の写真。


もう治らないとわかっているはずなのに、希望を捨てきれず神社にお参りに行ってお守りを買ったり、ネットで癌が治る方法がないか探したりしていた。


1日がとても長かった。


毎日携帯を握り締めて眠った。