その姿は以前では想像できないようなものだった。


腕や足は浩人と変わらない程細くなってしまい、髪は抗がん剤のせいでないに等しい。


足の甲はむくみ大きく腫れあがり、腕には注射痕の痣が痛々しく白い肌に浮いていた。



「ただいま」


「おかえり」



電話ではわからなかったが会ってすぐにろれつが上手くまわっていなかった。


食事も口内炎が酷く流動食になっていて、吸いのみさえもう細くなってしまった自分の手では持てない状態だった。


引越して以来、確実に祖母の癌は進行しているんだと思わされた。