ある日の風呂上り、母からの電話が鳴る。

あの話を聞いて以来、母の電話にあまり出ないようにしていた。


この日もちょうど浩人にパジャマを着せていた時で別にまた大した内容ではないんだろうと出なかった。


しかしその後すぐ届いたメールを見てすぐに折り返し電話をかけた。



「ばあちゃん下血したってどういう事!?」



この時、祖母は医者からしばらく退院して様子を見ようと言われていた。


なのに



「とりあえず今日また入院したけど多分もう…」



母はいつもとは打って変わって声のトーンが低く、口を濁らせた。



「なんで!?どういう事!?お医者さんにしばらく退院って言われたばっかりでしょ!?」



「こういう病気はいつどうなるのかわからないの。とにかく来週先生と話すから詳しいことがわかったら連絡する。あんたも一応帰る予定立てておいて」




母はそう言って一方的に電話を切った。