その癌は比較的に治癒しやすいものらしく、結果が出た翌日から早速祖母は抗がん剤治療を始めるため入院をする事になった。



やはり引っ越したくないと思ったのが正直な気持ちだった。

不安がる私を見て佐藤さんは思うようにすればいいんだよと言ってくれた。


しかし、母に嫌味を言われ続けることを考えた時、自分はこれ以上耐えていく自信はないと思った。




「おまえはばあちゃんがこんな病気になってもいくんだな。最低な子供だ」



悩む私に母はそんな言葉を投げてくる。


しかしこの時は、本当に自分が最低だと思った。


祖母が辛いときに、私は自分の幸せを選んだのだから。