泣いている私に母は近寄りもせず
突っ立ったまま爪を噛みながら鼻で笑って言った。



「どうせ死ねない癖に馬鹿じゃないの?大体ここで死なれたら迷惑よ。馬鹿らしい。」



母はそう言って父の腕に抱かれ横たわる私を見下して睨みつけた。



初めてだった。

母を殺したいと思ったのは。


こいつは母親なんかじゃないと思ったのは。


なんでこいつの為に苦しまなければならないのか…



私は初めて母を睨みつけた。


憎しみと怒りで溢れた心を目に現すように。