一日中母に何と言うか考えていた。


また何を言われるのかと思うとそれだけで苦痛だった。


佐藤さんは自分が言うよと言ってくれたけど、もしそうしたとすれば母はきっと容赦なく佐藤さんに攻撃をはじめる。


それだけは避けたく自分で言うからと気持ちだけもらうことにした。



母の仕事が休みの日を聞き出し、一人で話に行った。



案の定。


「おまえは母親を捨てるのか!?最低最低最低!!どうしてそんなに遠いとこにしたんだ!!佐藤さんは何を考えてるんだ!!あの男も最低だな!!」


怒鳴り散らす母を見て言い返してはまた面倒くさくなるとわかりながらもそこだけは我慢できなかった。



「佐藤さんと浩人の事を悪く言うならお母さんとはもう二度と会わないし話さない!」



そんな私の大声に屈する事無く母は牙を向ける。