一方の修平は、毎日毎日私に電話してきた。

彼は父がいなくなった時父が自殺しようとしていた事を母に聞き、毎日父が自殺しないかと不安に煽られていた。



ある日泣きながら電話してきた修平は声にならない声で私に言った。



「俺には居場所がない」



学費を父と母が払わなくなり、その事を二人に言ったら父は母に言え、母は父に言えと話ができない状態なのだと。


なにも決めずに離婚をするからこうなる。


父も母も親失格だと思った。



修平の気持ちが痛いほどわかるから、彼を今助けなければ今以上に多くのものを失ってしまうかもしれないという思いから暫くうちへ住まわせる事にした。


何があっても私がいる。居場所はあるから大丈夫だと聞き飽きる程に言った。



佐藤さんもすごく疲れていたと思う。


だけど彼はいつも私の望むようにしてくれて、いつも支えてくれていた。



この時彼がいなければ、私は今という時を迎える事はできなかった。