「あんたが言ってくれてたらこんな事にならなかったのに!!!どうしてくれるんだ!!」



お母さんの悲しむ顔を見たくなかった



なんて言える状態じゃなかった。





誰も傷つけたくないという私の正義は、時として悪となり母を傷つけてしまったのだと自分を攻めた。



母は遺書を置いて家を出ようとする。



「…どこに行くの!?」


「家に帰るのよ!」



「お父さんどうするの!?死んじゃったらどうするの!?」



「死ねばいいのよあんな男。知るわけないでしょ!!」



母は私の言うことも気にせず出て行った。



私は佐藤さんに頼んで警察に連れて行ってもらい、捜索願を出した。



その帰り、母から電話で佐藤さんと二人で実家に向かった。