それを開け読んでいる母の手は震えていた。



怒りからか悲しみからか

悔しさからか。


きっとすべてだろう。


確認するかのようにその内容を声に出す。


次第にその声は、大きく速くなる。




「会社のお金を使い込んでしまいました。
他友人にも200万、消費者金融にも300万弱、他にも300万ほどあります。早急にどうにかしてください。ごめんなさい……」





母の目は真っ赤になっていた。




「ふざけんなよ!!!!何考えてるんだこの男は!!」




手紙を床に叩きつけて怒鳴り始めた。




「さえこ…あんたまさか知ってたの!?あんた…知ってて、黙ってたの!?」




「だってお父さん自分で言うから…」




「どうして言わなかったんだ!!!どうしてすぐに言わなかった!!!なんで黙ってたんだ!!!!ふざけるな!何を考えてるんだ!」




涙する私に母は上から怒鳴り散らした。