父に帰ったら必ず連絡を入れるように言って送り出した後、佐藤さんのいる部屋へと向かった。

ベッドに寝そべりテレビを見ている佐藤さんの隣に座る。



「大丈夫か?」



堪えていた涙が溢れるように流れ出した。



「…お父さん…ガソリンかぶったって…死のうとしたって皮膚が…」



佐藤さんは起き上がって背中をさすってくれる。



「お金…300万くらい用意しないとお父さん死ぬしかないって…」



「どういう事?」



父に言われた事をすべて話した。



「…でも300万なんてどうしよう…私…」



「さえこはどうしたい?お父さんに言われた通りお金渡したい?」



「…わからない…けど、お父さんが死ぬのは…嫌だ…」



「そっか…」