「わかったよ。どうにかできるか考えてみるから」


「悪いな……」



父は私がそう言うと安心したのかお茶を飲んで深呼吸した。



「はあ。情けない父親だな…」


自分に呆れたように悲しそうな笑顔を見せる。


本当にそう思っているならこんな事にならなかっただろうと今ならわかる。
けれど、この時は冷静に考えられる余裕などなくてそんな風に考える事もできなかった。


とにかく父を助けなければとそればかり考えた。


「さえこ、お腹がそんな時にごめんな」


「いいよもう。とりあえず修平にメールか電話してあげて。心配してるから」



携帯を取り出し修平にメールを打つと、父は携帯を閉じ胡座をかいた。