「嘘でしょ!?」


「……本当だよ」



しかもそのお金は明日までに他の会社に渡すお金で明日の夕方までに全額用意できなければ自分は捕まるんだと父は言う。




だから死のうとしたと。



どうにかしなければいけないと考えていた。


真っ先に母や弟達が泣く姿が目に浮かんだ。


家族を守るべき人が
家を出た私に縋った。



「さえこ、どうにか助けてくれないか……おまえが助けてくれないと…お父さんもう死ぬ以外道がないんだ」




そう言われて「助けない」と言う子供はいるのだろうか。


私はこの時、お金を用意しなければ親を殺すと


親本人から脅迫されているようなものだった。