2月14日のバレンタイン。



信じられるようにさせる。


その約束の日から1年が経とうとしていた。


その日の夜、佐藤さんがその話題を持ち出す事はなく、私は忘れているのかと思っていた。


ベッドに入り佐藤さんに背を向けた時、佐藤さんが重い口を開く。



「去年の今頃、覚えてる?」



「覚えてるよ」





「じゃぁ教えてよ。」


「何を?」



「いや何をって、その…俺の事今も信じられない?」



「ううん。どうかな」


「好きじゃない?」


「それもどうかな」


「じゃぁ明日で終わる?」



「…うーん」



毛布に包まったまま、佐藤さんの方へと体を向け直した。