夏の名残りがまだ香る頃。

佐藤さんの移動が決まり、同じ店で働けなくなることがわかった。


不安だったけど、以前のように束縛する事はなかった。


でも、会えない時間が増えた分寂しさだけが増した。



それでもなるべく話す時間を作れるようにと佐藤さんは仕事で疲れているにも関わらず夜遅くまで起きていてくれたりした。


クリスマスもお正月も朝から夜まで仕事で一緒に過ごす事は出来なかったけど、電話で声を聞けるだけでよかった。



運命の日はもう目の前まで訪れていた。