「俺また頑張るから。さえこちゃんが俺の事信じられるように。だからまだここに居てくれる?」


頷く私に佐藤さんは安心したようなため息を漏らす。



「でも…仕事は辞めないでね?」



「大丈夫なの?さえこちゃんは」



「わかってるもん。頑張ってくれてるの」







その翌日から、私は佐藤さんの事を信じるようにしようと決めた。


それにそんな事があったおかげか、自分の気持ちに大分素直になれるようになってきていた。


心にあった重石が少しずつ動き出していた。


この世界にはないと思っていた「絶対」というものを信じてみたいと思うようになっていた。