「でも、話したら何か解決するようなヒントをもらえる可能性もあるよね?」



「でも」



「問題が解決するヒントをもらえるなら、いいじゃん同情くらい」


私は黙って俯いていた。


「人に可哀想って思われたらどうなの?別にいいじゃん思われても。だってどうせ他人だよ?一生一人で悩むくらいなら話してヒントもらった方がいいじゃん。その方が解決できる可能性も出てくるんだし。話さない時点でそこ止まりでしょ」



佐藤さんの言っていることは理解できた。けれど、納得はできなかった。


それは変に高いプライドが邪魔をしていたからかもしれない。



「そういう自分はどうなの?人に相談したりするの?」



「俺は幸せな事に悩みがないから。相談する事もない。」



「じゃぁもし悩みができたら?」



自分で聞いておいて意地悪な質問だと思った。



「相談するよ。一番信頼していて大切な人にだけ相談する」



「ふーん」



そんな答えが何だか気に食わなかった。