「夜は?した事ある?」


「いや、初めてです」


「そう。大丈夫、大体どんな仕事かわかるよね?男のお客さんと話してお酒作るだけだから、そんな難しい物じゃないし」


「はい」


オーナーはすごく早口で、話を聞きとるだけでいっぱいいっぱいだった。


「えーっとー、週2?他に何か仕事してるの?」


「はい、飲食店でアルバイトしています」


「ああそう。まぁいつでも入りたい日あったら言って?とりあえずバイトで入店ね。時給はそうだな…」


オーナーはボールペンの先を眉間にコツコツあててカチカチ言わせる。


「最初の1ヶ月は保証付けようか。3500円でどう?」


「あ、はい」


「じゃ決定ね。3500円っと…」



1時間で3500円なんて1日6時間働けば2万円を超す。

男の人と話すだけでそんな大金になるだなんて信じられなかった。

それからオーダーバック、指名バックなど他の給料説明を受けて、名前を決めた。