愛美は中学を卒業して高校には行かず、小さな工場でアルバイトをしてそこで知り合った人と17歳で授かり婚をしたと聞いた。


上の子は連れてきておらず、抱えていた赤ちゃんはこの時生後半年程でとても可愛い女の子だった。


愛美が一緒に食事に来ていたのは遠くからでも目立つ金髪ギャルの女の人2人。


「旦那さんは?」


「今刑務所に入ってるんだ」


愛美の旦那さんは私の知らない人だった。


「今は市内で夜働いてるの」


そう聞いてなんとなく納得した。


綺麗に盛られた白に近い金髪の髪。露出が多く、外食する為だけに着るにしては派手な服。飾られた長い爪。



「さえこも働かない?稼げるよ、今人募集してるし。気が向いたら電話して?」



愛美は持っていたマッチにボールペンで番号を書き差し出した。