結局、1年近く付き合っても片瀬君を信じられなかった。


正直信じてみようかなと思った日もあった。


だけど、出来なかった。


18歳になった私は


誰も好きにならない
誰も信じない
ではなく

誰も好きになれなく
誰も信じられなくなっていた。



一人になると、毎日夜になるのが怖かった。

得体の知れない不安、孤独、苦しみ。

泣き疲れて眠り、また今日が始まる。


夢も、希望も。何もない今日が。また。




いつも通り仕事をしていた日。そこへ懐かしい人が食事にやってきた。



「さえこ?」


小さな赤ちゃんを抱えた綺麗な女の人。


それは中学の同級生の愛美だった。




「愛美!?」


「さえこ久しぶり!」


愛美は赤ちゃんを抱えたまま私に片手で抱き着いた。