ADULT CHILDREN

でもそれならどうして電話に出ないの?


どうして言ってくれないの?



私が心配するから?



やましいことがあるから?






やっぱり捨てられるんだ



どんなに自分を励まそうとしても弱い自分には勝てない。



その時だった。


淳の車が動いて道路に出ていったのだ。


どこに行ったのかはわからなかった。


でも、10分後に淳から電話があった事で、志田ちゃんを送っていったとわかった。




『もしもしさえこ?』


電話の向こうにいる淳はいつもと何も変わらない。

いや


いつもよりほんの少し、明るい声に聞こえた。



『ごめんごめん!主任につかまってさ…』



平然と嘘をつく淳に泣いていると気づかれないようにする事で必死だった。



『今から帰るからね』



時間はもう深夜の2時半だった。



「淳ごめん、今日きつくて帰っちゃった」


一生懸命明るい声を出して言った。