5月に入って淳と私の誕生日の話をしていた。


淳は私の誕生日に旅行に連れて行く準備をしていると言っていた。

内容は教えてくれなかったが、遠い所だから楽しみにしててと言われ、それからは毎日誕生日を待ち遠しく思っていた。



バイトでは落ち着いて仕事もできるようになったし、この時私にはバイト先と淳というふたつの居場所ができていた。



そんな中で淳は大学生活が忙しくなってきてバイトに入る時間が遅くなり、次第に同じ時間に勤務する事や、日程を合わせることさえ難しくなっていった。



そこで淳は会う時間が少なくなったら寂しいだろうと合鍵を作ってくれた。

いつでも家にいていいんだよと言ってくれた。


それからの私は淳が忙しい日や休みの日には掃除をしに行ったりご飯を作りに行ったりしていた。