「嬉しい…」
お風呂に入っていたはずの淳は、隙間から覗いていたのか私が座り込むとバスルームから服を着たまま出てくる。
「お風呂入ってなかったの?」
「うん。そっから見てた」
「淳ありがとう」
飛び着いた私の体を淳は一度抱きしめるとゆっくりと離す。
「指輪貸して。つけてあげる」
淳は指輪を箱から取り出して私の左手を取った。
「こっち左だよ?」
「そうだよ。いいじゃん左で」
そう言って左手の薬指に指輪をはめてくれた。サイズなんて言った事もないのに、ぴったりだった。
「結婚してるって思われるかな?」
「思われるかもね」
にやける私に淳は茶化すように笑う。
その後、私も淳に欲しがっていたブーツをプレゼントした。
「俺、絶対毎日履く!あっでも勿体無くて履けないかも、どうしよ」
喜ぶ淳の顔を見てこれ程ない幸せを感じた。