バイトの事、携帯を買った事、彼氏ができた事。

最近の事をすべて話した。

祖母は洗剤で荒れた私の手を両手に包み、ただずっと頷いて話を聞いてくれていた。


「今度はどれくらいいるの?」


「もうお正月が明けるまでいるよ」


「じゃあ1ヶ月はいるって事?」


「そうね、1ヶ月くらいいる事になるね」


今思えば、それからの1ヶ月が本当に幸せだった。

バイトが終わって家に帰ってくると祖母が夜食を作ってくれている。
冷蔵庫を開けると(おつかれさま)と置き手紙と共に置いてあるのだ。


私が祖母のハンバーグが好きだとそれとない話で言っていると、私を喜ばせようと毎日夜食にハンバーグを用意してくれていた。


淳とも交際は順調で、母は祖母がいる事で何も言わず、父は忘年会シーズンで家に帰るのが遅く、夫婦喧嘩を見る事もなくて済んだ。