私と淳が付き合うようになった事はすぐにバイト先に広まった。


淳はかっこよくて、優しくて、自慢の彼氏だった。

だけどそれ以上に不安は大きかった。


バイト先では私と付き合っている事を知っている人達ばかりだからまだ良い方で、外でデートをする時は楽しさよりも苦痛を感じる事の方が多かった。


すれ違う女の子達が振り向く。


「かっこいい」


歩く度にそんな声が聞こえてくる。
足を止める人も少なくはなかった。
淳は聞こえていないのか、それとも慣れていたのかそれに対して何の反応も見せなかったが、隣を歩いている私は普通にはしていられなかった。

淳と不釣り合いな事は勿論わかっていたし、何より自信がなかったからだ。


淳が手を繋いでくれていても隠れるように淳の一歩後ろを歩いていた。

なんだか隣にいてはならないような気がして。