翌朝、目が覚めた部屋に淳の姿はなく
私は部屋でぼうっと淳を待っているうちに、いつの間にか眠ってしまい
起きたのは日も昇りきった頃だった。


二度目の目覚めの時にはちゃんと淳はいた。


「おはよう」


「あ、ごめん。寝すぎちゃって」


「大丈夫、今日何も予定ないし。ちょっと待ってて」



ベッドから体を起こし、大きな窓硝子の奥にある芝生の敷き詰められた広い庭を見渡した。

ドアが開く音に振り向くと淳は私にソファーに座るよう促した。


「母さんがこれどうぞって」


「え?」


「母さんに話したら母さんもどうするか決まるまでしばらく居ていいって。」


「…本当に?」


「うん」


「でも挨拶もして…」

「いいから。食べて」



淳はトレーを差し出し、それ以上何も言わせまいとするかのように、テレビをつけて横になった。