ずっと黙って聞いてくれていると思っていたら、淳は隣で泣いていた。



「ねぇなんで泣いてるの？」



男の人が泣く姿など見た事もなかった私は涙を流している淳に驚いた。



「…いや、ごめん」



淳が私に同情しているんだと言葉にされなくたってわかった。


二人で何が悲しいのかわからなくなる程馬鹿みたいに泣いた。


段々そんな自分達の姿が笑えてきて、いつの間にか私の涙は止んでいた。



「ごめんね」


落ち着いた淳は腫らした目を向けて笑う。


「いや、なんか私の方こそ。泣かせてごめんね」



持っていたハンカチで淳の頬をなぞった。