「何がそんなに入ってんの?」


「え、色々だよ。…服とか」


「服?」


淳は私が家出したことを俊から聞いていないようだと悟った。


「俊、何も言ってなかった?」


「何の事?」


「いや…私今、家出してるんだ」



どうせ俊に聞けばすぐにばれてしまう事を隠す必要はないと思った。



「え?ちょっと待ってちょっと待って!」


淳はあたふたしながら道路沿いの閉まっているお店の駐車場に車を停める。


「なんで家出してんの?」


「親と色々あって」


「喧嘩したとか?」


「ううん。そんな簡単に解決できるような問題じゃないよ。ただの喧嘩なら今頃私、こんなとこにいない」


自分で言った言葉が忘れていた事をすべて思い出させてくれた。