「電気は…つけないで」


そう言うと俊は一瞬躊躇いながらも座ったまま足を布団に入れる。


「どうした?俺なんかした?」



「いや違うよ。大丈夫。ごめん」



涙を拭いて体を俊に向けた。


「もう寝よ?」


片膝を立て、右手で体を支えて自分を見つめる俊の手を掴んだ。


「…うん」


「なんでそっち向くの?」


体を倒し、背中を向けようとする俊は当然の事を否定されたかのように鼻で笑いながら体の向きを変えた。


白い微かな光で俊の輪郭が見える。


「眼鏡外さないの?」


「あー…」


俊は少し面倒臭そうに眼鏡を外し、手を伸ばしてテーブルに置いた。