その手紙といつも一緒にご飯代と書いて五千円が置いてあった。


私はそれがけんちゃんの言っていた日当だと思っていた。


だって毎日食事代だけで五千円も使わない。


三食豪華な外食をして、やっと使い切れる程度。


だからご飯代の中に日当が含まれていると思っていた。



それ以外にも荷物がなくなったからと、洋服や必要な物を買いに連れていってくれたりもした。


家に住まわせてくれて、ちょっとした家事をするだけで食事も、ましてや日当まで貰うだなんて
図々しいと何度も謝ってばかりいる私に
けんちゃんは
何度も気にしないでと言ってくれた。


けんちゃんは毎日仕事で、顔を合わせるのは一週間に一度、多い時でも二度しか会わなかった。


休みの日も付き合いがあると朝早くに出て、夜遅くに帰って来ていた。


そんな日が続き、あっという間に家を出た日から一ヶ月が過ぎていた。