「おはよー」


「おはよ」


マスカラが落ちて黒くなった目の下を紗枝は指でなぞる。



「紗枝昨日の事覚えてる?」


一応確認しておいた方がいいと思った。


「何が?」


「昨日しのっちとやってたよ?」


「あー、うん覚えてるよ」


紗枝は長い前髪に額から指を通す。


「そっか。ならいいけど」


「ちゃんとお金も貰ったし」


「え!?お金貰ったの!?」


「当たり前でしょ!?ただでやるわけないじゃん勿体ない!まっ半額の一万だけどね」


まさか酔っ払っていたのにしっかりお金を稼いでいたなんて思いもしなかった。


「ちょっとシャワー浴びてくるね」


そのまま紗枝はバスルームに向かった。


私はまた一人、テレビをつけたままぼーっとしていた。