一人でどうする事もできない裸足のままの私は
辺りが暗くなって公衆電話から紗枝に電話した。


小銭も僅かしか持たず、泣きながらも簡単に紗枝に事情を説明する。


すると紗枝は私の居る場所を聞いてそこでしばらく待っててと電話を切った。


紗枝の声を聞いて安心して、電話を切った後は少し落ち着いていた。


てっきり紗枝が来てくれるんだと思って私は待ち続けた。


1時間とちょっと。



自販機で飲み物を買っていると誰かに呼ばれたような気が。


「…こちゃん」



振り返ってみたけど人はいない。


落ちてきたおつりを手に取った時、今度ははっきり聞こえた。


「さえこちゃん!!」


だけどそれは
紗枝の声ではなかった。