「返せ!!」
母のポケットに触れた時、母は私の頭にむかって火を着けた煙草を投げつけた。
「熱っ…」
髪をつたって落ちてきた煙草が膝に落ちる。
また
我慢できなくなった。
「返せって言ってんだろ!!」
私が母の胸ぐらを掴んだ時、タイミング悪く父が帰ってきてドアを開けた。
「…。おまえ達は何をしてるんだ!さえこ!放しなさい!」
掴んでいた母の服から乱暴に手を放す。
「どうしてまた喧嘩してるんだ」
「私のお金が最近よくなくなるって言ったでしょ?この子が盗ってたのよ!ほら!」
母は父にポケットからお金を取り出して見せる。


