「ありがとうさえこ。嬉しい。だけど、同情だけはしてほしくない」


紗枝の冷たく突き放すような言い方にどこか胸が痛んで何も言えない。



「同情されるの嫌なんだ。私、可哀相って思われたくないし。それに、同情と友情は一緒にしたくない。同情で仕方なく付き合ってるって思ってしまうから。そんなの寂しいじゃん?」


紗枝はまた私にお金を握らせた。


「…ごめん」


少しでも力になりたかった。
けど逆にそれが彼女のプライドを傷つけ、逆に出てしまった。



「いいよ。もうこの話は終わりね」


紗枝が笑顔を見せてくれて安心したけど、やっぱり少し同情した。


それと同時に、自分の甘さを痛感した。