車に近づくと車の窓が半分程開いて紗枝が中を覗き込んで話す。


「けんちゃん遅いよー！」


「そうか？これでも急いできたんだぞー？」



車内にいたのは紗枝がけんちゃんと呼ぶ人。


その人の運転でカラオケに行く事になり、私と紗枝は二人で車の後部座席に乗りこむ。


車の中では紗枝とけんちゃんが２人で喋っていて
あまり居心地のいいものではなかった。


二人は仲が良くて、援交相手には見えない。


その理由はけんちゃんにもあったのかもしれない。


カラオケに着いて車を降りてすぐ。
けんちゃんの身長が高い事に驚いた。


紗枝も背が高い方だったけど、その紗枝よりもはるかに高い。

しかも若い。


店内に入ってドリンクを頼んで乾杯した。


話しているうちにけんちゃんが２９歳だと知った。

顔はスーツの似合う三枚目という感じだったけど、爽やかで
全く親父という雰囲気ではなかった。