それが私の
援助交際の始まりだった。


紗枝と遊んだ翌週、また紗枝と駅ビル前で待ち合わせをした。


会ってすぐ紗枝は誰かに電話をかけて、待ち合わせの約束をする。



「1時間くらいで来るって」


「了解!」


来るのは援助交際の相手。
本当は緊張と不安でいっぱいだったのに、紗枝にそれを悟られないよう平然を装った。


一時間後。


駅前の道路沿いの歩道に座っていた私と紗枝の前に
1台のセルシオが停まった。


フルスモークで中にどんな人が乗っているかわからない。


怖くなった。


もしかしてそういう系の人なのかなとか、連れ去られたりしないのかなとか。


ドラマの世界しか知らない私はそんな事ばかり考えていた。


でも紗枝は私の不安をよそに「行こう!と手を引く。