最初は同情していた。

けど、毎日それを聞かされていると
いつの間にか可哀相という感情は苛立ちに変わっていた。


辛い過去を話されても私には何も変える事ができない。
比べられても、私に不幸になれと言っているようにしか聞こえない。

私に母を救う事はできないのだから。



母はいつも言う。



「私を不幸にするのは私の周りの人間がそうしているからだ」と。



その中には勿論私も含まれている。


彼女の中で
彼女自身に非はないのだ。



つまり


自分が1番。
自己愛が強い人間。
自分だけを守り、自分だけしか愛せない。

それが私の母。