ADULT CHILDREN

「冷蔵庫開けないでくれる?電気代かかるから。
あと勝手に食べないでね。
食べるならお金ちょうだい。
あれだけ大口叩いたんだから。
自分で生活しなさいよ」



姿を見せた母はそう言うと
電気を消した暗闇に私を置いて寝室に戻った。



怒りが込み上げてきた。


そんな事出来やしない。


母は私に無理を押し付け、親という権力で私を操ろうとしている。


言いなりなんかになるものか。



私は部屋に戻って横になった。


それから私は4日間、お茶だけを飲んで過ごした。


母はそんな私を見て馬鹿らしいと鼻で笑う。


5日目は限界だった。眠れない、胃が痛い、お腹が空きすぎると身体にも力が入らなくて、ただ歩くだけでもしんどかった。


そんな5日目の昼、家に誰もいない間何か食べようと思った。


食べなければこのまま死んでしまうかもしれないと思った。


リビングに向かい冷蔵庫を見ると
また今朝書いたと思われる紙が貼ってあった。


その紙を掴み怒りをぶつけるように破いた。


あの女にとっては私の苦しみが幸せ。



床に撒いた紙を足で踏み付け冷蔵庫に手をかけたその時