父は一瞬黙った後「大丈夫なのか?」と如何にも心配している親らしい顔を見せる。



そう聞かれた私は何も答えずに笑った。



「あんたはどう思ってんの?」



母に聞くと母はこっちを見ずに言った。



「自業自得でしょ。汚らしい」



それを聞いて声を出して笑ってやった。



「そうですか。産まれてきてすいませんね。
何だったら施設にでも入れてくださいよ。
大歓迎ですから。
そうそうそれから、
本当の両親に会わせてもらえます?
よく言ってましたよね?昔」



二人は黙って聞いていた。



「おまえ大丈夫か?」



父が目を丸くする。



「はい。大丈夫です。」



私が鼻で笑うと母は「馬鹿らしい」と仕事のバックを手に取り私を横切る。



「いってらっしゃいませ継母さん。気をつけてくださいね」



母は面白くなさそうな顔をした後、舌打ちして家を出て行った。



「さえこ?」



父が私の顔を覗き込んでくる。