愛美は私の父の顔を知っていて、すぐに父がいる事に気付いた。



「あっ!さえこのお父さん!」



すると後方にいた父は先頭に出て来て背の低い愛美を見下す。



「さえこが来ているだろう?」



私は隠れる事をやめて、父の前に姿を見せた。



「お父さん何してんの?」


私を見た父は
安心したのか呆れたのか溜め息をはいて言った。



「お前が何をしているんだよ。」




私はそのまま警察署に連れていかれた。


初めてパトカーに乗った。


他の人がどうなったのかはわからなかった。
署に連れていかれた時、私は父と一緒だったから。



「ご飯は食べてるのか?」


父が
パトカーの中で私に聞いてきた。



「…うん」


「そうか…」


それ以外会話はなかった。



父にそう聞かれた時良心が痛んだ。



父が心配してくれていたんだと思った。

悪い事をしてしまった……って。

本当に反省していた。