シンナーの臭いと煙草の煙が立ち込める散らかった汚い家で
シンナーを吸う友達と過ごす毎日。


気付けば一ヶ月が過ぎ、その生活に違和感さえ持たなくなっていた。


夜中は遊ぶ私達にとっては
月が太陽だった。


薄暗く光のない生活。


そんな生活に嫌気がさした事は一度もなかった。


なぜならそこに集まる人はみんな私と同じだったから。


みんな色んな寂しさや苦しみを抱えて、本来の自分の居場所を無くした悲しい人達ばかりだったから。



片親で小さな頃から1日中親がいない人。


親に捨てられた人。


厳格な親に縛られ自分を奪われてしまった人。


みんな自分の苦しみを癒していた。

それはシンナーであったり、身体を重ねる事であったり、お酒を飲む事であったり。

悪い事ばかりだったけど。