その言葉で要約目が覚めた気がした。


私は
期待しないと思いながらも、母にどこか期待していた事に。


母に「死なないで」と言ってもらいたかった事に。


本当に死にたかったんじゃない。


試していたんだ。


母の事を。



気付いてほしかったんだ。


母に必要とされたいと願っていると。




はっきりわかったこの時


またあの時のような
憎しみが沸いてきて、持っていた包丁を床に投げ付けた。




馬鹿らしい――――


あの女の為に死のうだなんて。


あの女に必要とされたいだなんて。


わかってほしい…だなんて。


私が死ななくてもいいんだ。


あの女が死ねばいいんだ。



あの女のせいで私はこんなに苦しいんだ。



あの女がいるから
私は幸せにはなれないんだ。



溢れた醜い感情を
コントロールできない。




人は誰でも幸せになれる。



そんなの嘘。



私には
幸せになる権利すらない。




私は
幸せになんてなれない――――




想像する未来の自分が
暗い闇の中で一人佇んでいる姿を浮かばせていた。