部屋のドアが開き、母が私のその姿を見て呆れたようなため息をついて言った。



「また死ぬつもり?」



包丁を手首に当てていた私は、何も答えられなかった。



「死ぬのは別に困らないのよ。けど、ここで死なれたら迷惑なの。
あんたが死んでも私達はここに住まなきゃいけないんだから。
気持ち悪いでしょ?
だから死ぬなら誰もいないところで死んでもらえる?
あ、人に迷惑かけたりお金がかかる死に方はやめてね」




母はそれだけ言うと部屋を出ていった。