「じゃあ今日は解散!明日6時集合だからなー」



ろ、6時!?
早すぎない?あたし早起き苦手なんだけど…



「つばきちゃんゴメンね?無理言って…」


「大丈夫だって、逆に杏奈を一人で合宿に行かせる方が心配だもん。」



武井杏奈はあたしの中学からの親友で男子バスケ部のマネージャーをやっている。
もともとマネージャーの人数が少なく、三年の先輩と一年の杏奈しかいなかったのだが、つい先日三年の先輩が引退してしまったため杏奈一人となってしまった。

そこでさすがに女の子一人を男だらけの合宿に連れて行かすわけにもいかないので、あたしが手伝いとして付いていくことになった。



「つばきちゃん朝大丈夫?結構早かったけど。」


「た、ぶん大丈夫かな…」


いいえ全然大丈夫じゃありません。
誰か起こして下さい、いやホント。


「明日朝メールするね!」


「ありがとー。」



「なぁ武井、明日のバスなんだけどお前木下と隣でいいんだろ?」


「もちろん!」


ん?誰だっけこの人、見たことあるな…あ!!


「藤本!!」


藤「なに、もしかして忘れてたのかよ。」


「いやいやそんなこと…なくもない。」


「おい!」



たしか藤本彰っつって、同じクラスのやつだった。あんま話したことはないからすっかり忘れてた。



藤「でもお前が手伝いやるとは思わなかったぜ。」


「どういう意味で?」


藤「そりゃあ、見た目からして。」



だろうな。こんな金髪の明らかに不良だろって奴だもん。
まぁたしかに不良だったけど…昔の話だし。