「…お前はなぜこの印だと思う?」
原田が片付けられる遺体を見ながら質問してきた。


「……何か自分の成果を残したいがために『X(エックス)』と書いているのでは…?…自分が裁いてやった…と警察に知らしめているのではないでしょうか…?」
「……確かに考えられなくないが……それはあくまで『X(エックス)』が自分のことを『X』だと思っているならばの話だ…」
「……と言いますと…?」

原田がこちらを向く。

「…『X(エックス)』というのはあくまで俺たちが勝手に付けた名前だ。自分の手柄にするのならば別に名前を書いて『捕まえて見ろ』なんて言ってもいい…。今回の被疑者はそれぐらい捕まえられないことに自信を持っているのだから…」
「…じゃあ…別に意味があると…?」
「……俺は…









この印にいろんな意味を持たせているんじゃないかと思ってる…!」



桜田の脳にあらゆる思考が行き巡った…





「………なるほど…確かに分からなくもないですね…!つまり『X(エックス)』は、私たちに『X』という犯人像を突き出しといて、本来は別の意味を持たせていると…!」