『……大和田 謙二郎…お前はマフィアのトップという肩書きをちらつかせて幾度となく自由気ままに暮らしてきた……』


ウィィィイイン…!

大和田の右耳元側のコンクリートの壁が30センチ四方で開きだした…



「…なんなんだよ、おい…!!…おい!」




『…お前には『犠牲』という言葉が分かるか?……多くの血を染めてきたお前の右腕……今度はお前の血で染めるがいい…!』


「…ぐはっ…!!」
大和田は壁を蹴ったりして何度ももがくが一向に腕は外れず、淡々とラジオから男に言葉が投げかけられていく…




ピッ…



開いた壁の中に埋め込まれた四角形の箱に『1:00』と表示された。



『……1分の猶予をやろう…。…その間に自分の過ちを認めろ………だがそれ以上経っても認めないなら、その爆弾が爆発し、お前を頭ごと吹き飛ばす…!』

大和田の充血した目が、『1:00』と表示された箱を見つめていた…



『………考えてる時間はない…!………幸運を祈る…!……ザザーー…』