鍵穴はドアと見合わせるように全く正反対の位置にある。




南沢にはそれが何か意味があるように見えた…







そして大和田は躊躇なく鍵穴に鍵を挿す…












……カチャンッ…!












ガチャンッ…!!



「……うわぁっ…!」


突如鍵を持つ腕が壁にスイッチごと引き込まれていった。


「……キャァァァアア…!」


その驚きで新島が持っていた茶封筒を落とした。




カランッ…


後ずさりした南沢の足に、部屋の端に立てかけてあった鉈(なた)が当たった…





「……なんだなんだ?!」

部屋の中がパニックに陥る。



大和田の右腕は壁から抜けないようだ。


端から見ると右腕がないように見えるが、辛うじて肩から僅かに右腕が出ているため大和田の腕の所在が分かる。



「…チクショー!!離せよ!!」




『……ザザ…ザー…』


ラジオが再び乱れる…