『行政処分課』と書かれた部屋を長瀬は後にした。
『………はぁ…』
大きく溜め息を吐くと自分の不幸を実感した。
ただでさえ金もないのに賠償金なんか払えるはずないだろ…
今日一日何もしていないのにどっと疲労がのしかかった。
とにかく職探さないと…
夕陽が眩しい道をとぼとぼと歩く長瀬の寂しげな背中だけが目立った。
コンビニで夕飯を買ったついでに『ジョブローシュアー』という求人誌を手にとってアルバイトから正社員までくまなく探す。
買い物袋を引っさげながら、求人誌をめくっていく…
途中『時給1000万円』という小さく書かれた求人も目に留まったが、印刷ミスだろうと思い呆れて次のページをめくる…
そんな時給ホントにあったら働きたいわ……
更に肩が重くなった…
どこを見ても時給は安いし…
いっそのこと体を売った方が早いか…
求人誌をコンビニの袋に入れ、月極で借りている駐車場に置いてある車に乗り込む…
……?


